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ヴィンテージマンション

この間、仕事関係の打ち合わせで訪れたのが、目黒区内の某歌舞伎役者も居を構えるエリアにある、築30年オーバーのヴィンテージマンションだった。

そこは分譲当時から、国会議員や医者、弁護士などが多く暮らすという。今では、築年数もたち若い人でも頑張れば買い求められるくらいこなれた価格になっているとのこと。とはいっても、部屋の大きさにもよるが、管理費と修繕積立費に毎月6~9万も払わなければならない。それだけに、エントランスの管理人の視線が、見知らぬ入館者や不審者に容赦なく突き刺さってくる。管理というソフトウェアは万全。

自分自身、現在まで何軒かマンションの転居を繰り返してきたが、そこは自分が暮らしてきたどのマンションとも違う雰囲気、規格、作りであった。とにかく、ロビーから部屋へと続く廊下、そして玄関と全く古びていない。状態のいいデッドストックのジーンズのように、時代は感じさせるものの、汚くないのはもちろん、時間がたつほどに価値が増している。そもそもマンションに使われている材質がいいのだろうが、メンテナンスや管理がしっかりなされている証拠だろう。

そして、部屋に入ってさらに驚いたのは、天井の高さ、廊下の横幅の広さ、窓の大きさなどがかなりゆとりをもって取られていること。空間の開放感が半端ないのだ。そこにいるだけでとても優雅な気持ちになれる。

これまで、古いマンションは極力敬遠してきたが、こうしてお金も手間もかけてしっかり作ってあるものは、新しいもの以上の価値を感じてしまう。日本にはマンションの寿命40年節があるようだが、ヴィンテージマンションには当てはまらないのだろう。

同じくマンションに住んでいるが、自分が住んでいるマンションは全く別物であることを思い知らされた一日だった。